Artisul D16pro 続報 漫画プロダクションの機材としてベストバイ!(^_^)v
7月18日の日記に書いた新規購入の液晶タブレットArtisul D16proですが、使用を始めてから3ヶ月経ちましたので、その続報をお知らせします。
とにかく感心するのがドライバの安定感。使用を始めて3ヶ月、ドライバの不具合による強制終了がなんと一度も起きていません。これまで使っていたWACOMの液タブ(Sintiq DTH-1300)は1日に1回程度(時に数回)の割で突然不正終了して液タブが反応しなくなっていたのですが、D16proでは全くそういったことがありません。これは想像外でしたね。いわゆる中華液タブというと、ハードはそれなりに良いけどドライバの完成度がいまいちというのが一般的でしたから。それがWACOMより安定しているとは驚きです。
素晴らしいのがペンの追随性の良さです。私はリアルGペンを多用するのですが、細かな速いペンタッチにも遅延無しでペンが付いてきます。読み取り速度が300PPSあり2020年現在数ある液タブの中で最速!まさにカタログ数値を実感できます。筆圧感知も8192階調有るので、線の強弱も思いのまま。アナログで描いているのと変わらない感覚で絵を掛けます。もうね、描くのが楽しくなるほどのペンタッチの良さです。特別なラミネート加工で液晶本体と保護ガラスの厚みもわずかなので、ペン先とカーソルのズレも感じません。
カラーに関しても非常に優秀です。AdobeRGB90%コントラスト1000/1の表現力があるため、私がメインで使用しているDell24inchプロフェッショナルモニターとの差異がほとんど無くて、カラーキャリブレーションでもほとんど修正が要らないほどです。先日カラーイラストを描きましたが、微妙な色まで良く再現されて快適に彩色をすることが出来ました。
それから液タブに最初から貼ってある保護シールですが非常に耐久性が強く、3ヶ月間1日12時間以上も使用しているのに、通常のペンでは全く傷が付きません。オプションで後から保護シールを貼る必要は無いと思います。本体もプラスチックの筐体がしっかりしていてそれなりに高級感も有り、付属のペンもラバーこそ貼ってないものの安物感はありません。むしろラバーがあると加水分解が心配なので(WACOMのペンはしばらく使ってないとべたついてきます)、こちらのペンの方が良いと思います。
とまあここまで褒めてばかり来ましたが、いくつか不満点もあるので書いておきます。まず付属品ですがペン立てが付いてこない!WACOMや別の中華液タブメーカーなら付いてくるのに…。一応収納するペンケースは付いてきますが、ペンは毎日仕事で使うのでしまう必要なし。逆にペン立てが無いと仕事中にペンがころころと液タブの裏側に転がってしまい不便で困ります。結局私はAmazonで市販のペン立てを購入して使っていますが、ペン立てはデフォルトで付けて欲しいですね。
次に付属のスタンドが若干強度不足なのかしなる感じがします。液タブ本体に対してスタンドのサイズが小さいのが原因なのですが、スタンドから外れた上の方に手を置いて作業する際にちょっと不安定な気になるのがいまいち…。まあこれは慣れてしまうとどうって事はない感覚なので、気にならない人は全く気にならないとは思うのですが。一応別売りのタブレットスタンドが同メーカーから発売されているのですが、付属スタンドとそれほどサイズが変わらないので買おうかどうしようか迷ってます。実売で4200円もするので付属品と変わらない時に損した気分になるのが嫌なんですよね。(苦笑)
作業関係では、ペンを移動する際のカーソルの反応が若干悪いかも。WACOMではペンを画面からある程度離していてもカーソルが付いてくるのですが、D16proでは時々反応しないことがあります。クリックに関しても同様で、強くクリックしないと反応しないことも。ただこれはペンでの作業中のエラーを防ぐために、敢えて反応を抑えているんじゃないかと思われます。細かなペンタッチをする際に敏感に反応されると、思わぬ余計なタッチが入ってしまって書き直しになることもあるので、確実に良い線を書くためにこのような仕様になっているのかなと思いました。
消耗品ではペン先が一種類しかないのが残念。ライバルのWACOMは様々なペン先が販売されていますが、Artisulは現在ノーマルのペン先1種類しか有りません。もっと様々なペン先があれば色々な書き心地を楽しめるのですが…。まあそのペン先自体はAmazonで簡単に注文できるので、その点に関しては他の中華液タブメーカーと比べると便利で良いです。
長所短所を色々書いてきましたが、最終的な評価は「Artisul D16proは漫画プロダクションの機材としてベストバイ」です。2020年現在、16インチ液晶タブレットの中では最高の性能を誇りドライバも安定していてしかも安い!これは漫画を仕事で描く人にとって最高の機材でしょう。プロなら最高の物を金に糸目を付けずに買って使うべきではと言う人もいますが、人より高い物を手に入れる優越感、所有感を満たすのはあくまでも趣味の領域です。仕事で使う物は必要十分な性能の物を安く手に入れられる方が良いのです。
その意味でD16proはその必要十分さを全て備えています。快適なペン追随性能、優秀なカラー表現性、安定したドライバ、そして手ごろな価格設定と消耗品の手に入れやすさ。仕事で使うには実に向いています。漫画プロダクションではアシスタントのために複数枚の液晶タブレットを手に入れなくてはならず、そのコストが高い壁になっていました。しかしD16proはAmazonでクーポンを使えば1台3万円台半ばで買うことが出来ます。アシスタント4人分購入しても14万円ほど。WACOMのライバル機種の半値で買うことが出来ます。しかも性能も良くて安定しているのなら仕事用機材として最適でしょう。万が一人が足りなくてアシスタントを緊急でお願いする際に、D16proをAmazonでポチれば35000円程度の出費で環境を整えることが出来るのです。まあこれはPC本体が余っていればの話なんですけどね。(笑)
さて今後Artisulに希望するのは20inchのpro液タブを作って欲しいということです。現在ArtisulのproシリーズはこのD16proだけ。個人的にはD16proと同じ性能でもうワンサイズ大きなものを2k解像度で作って欲しいなあと思ってます。24inchは要りません。液タブは大きい方が良いんじゃないかと思っている人も多いですが、液タブは大きくなればなるほど腕を大きく動かす必要があり、長時間の作業で疲れてしまうのです。以前別の職場でWACOMの24inch液タブを使ったことがありますが、1日12時間作業をしていると最後は腕が疲れてクタクタになってしまいました。なのでサイズ的には18-20inchが丁度良いと思っています。このサイズなら16inchとそれほど大きさが変わらないので腕の移動範囲も広がらず、長時間の作業に負担になりませんので。大きいと机の上も占領されるし移動も大変になります。24inchなんて正直邪魔なだけです。是非次は20inch2kのproを作って下さい。Artisulさん、よろしくお願いします。
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