「高倉健」の文字検索で録画予約を入れていたら、今日の昼過ぎにBSフジで放送が始まったので初めて視聴しました。この作品は高倉健が東映退社後に初めて主演した映画で、文化大革命後の中国で初めて公開された外国映画として、全中8億人が鑑賞して一大ブームとなった作品だそうです。監督は「新幹線大爆破」「男達の大和」などで有名な佐藤純彌。これは健さんファンとしては観ておかねば!ということで、ワクワクして見始めたのですが…。
何、この雑な作りは!?まず音楽がシーンと全然合っていない。深刻な場面に軽快な音楽が入っていたり、シーンをぶちこわすBGMが酷い!これ、音響監督ちゃんと考えているのか?(゚Д゚)
次に、特撮が酷い。いかにも着ぐるみと分かる熊と格闘したり、自衛隊戦闘機がおもちゃ然としていて飛んでいるように見えなかったり、信じられない低レベル。大映って特撮もやっていたはずなのに、このレベルなのか!?
何よりも、基本的な考証が甘すぎる!主人公の杜丘(高倉健)は無実の罪を着せられて逃亡者となるのですが、それを追う警察を何故か検事正が指揮しているのが変。検事正は司法官であって、行政官である警察官とはラインが違うので直接の指揮権は無いのですが。
さらに、北海道から脱出する際に恋人(中野良子)の父(大滝秀治)からセスナをもらって飛び立つのですが、そもそも主人公は飛行機の操縦経験はゼロ!普通飛行機は100時間ほど乗って初めて単独飛行に移るくらい操縦が難しい乗り物なのに、自衛隊機に追われて海面すれすれまで高度を下げて飛ぶアクロバチックな操縦まで出来てしまうのです。いや、それ以前に、なんで自衛隊機が一般の航空機に攻撃出来るねん!?もうむちゃくちゃです。
さらに、東京に舞い戻った主人公を助けるべく、恋人が新宿に多数の馬を放って騒ぎを起こすのですが、わずか30分でどこから馬を持ってきたんや?確かに牧場の娘で馬をこちらに運んできたけれど、普通競走馬は関東なら茨城県の美浦のトレセンか、東京なら府中の東京競馬場もしくは大井競馬場の厩舎に連れて行くんじゃないの?なんで新宿に10頭も連れてきてん??
そして極めつけはクライマックス。主人公と刑事(原田芳雄)が事件の黒幕である政界のフィクサーの元に駆けつけるのですが、逮捕状も見せずにボディーガードをいきなり逮捕。さらにフィクサー(西村晃)に自殺しろと拳銃で脅したあげくに射殺。そしてこれは正当防衛だと言って、後で認められてしまうのです。いや、犯人は丸腰だったやん!どう見ても過剰防衛というか、殺人やん!
もうね、途中から笑いながら観るしかありませんでした。久々に観たトンデモ映画です。でもこれ、ジョン・ウー監督が2018年に「追捕」というタイトルでリメイクするんだとか。そのときはもうちょっと観られる作品になるのかなあ?(^_^;)
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